学生ローンの申し込み将来像

現在、モビットでは条件付ですがWeb完結というサービスを実施しています。
消費者が最も嫌がる、在宅確認や勤務先の在籍確認もなしで、申し込みから融資の実行まで、完全に完結できる画期的なサービスです。
今から10年ほど前、無人契約の登場には度胆を抜かれましたが、結局はセンターに人がいて、身分証の確認や融資判断は人間が実行しているという事で、肩透かしをくらったのを思い出しました。
あれから10年ほど経つでしょうか、モビットのWeb完結は正に衝撃的で、これは貸金業界の革命を起こすBIG商品だと思ったものです。
しかし、ネット申し込みの最大の課題は、本人確認上の脆弱性をどう克服するかです。

現在、通常の学生ローンでは、インターネットの申し込みも最終的な判断は人間が行います。
身分証の確認、融資限度額の設定など、いくら英知を絞ったところで完全自動化は無理な話です。
では、モビットのWeb完結はどういうカラクリなのか?という疑問が残りますが、これのはちゃんとした理由がありました。
そのカラクリとは、三井住友銀行の銀行口座を有しており、かつ、社会保険証が提示できる者という条件付という事です。
三井住友銀行の口座を持っているという事は、氏名や住所、電話番号、勤務先など、個人を特定できる情報を既に持っており、わざわざ個人情報を取得する必要がないのです。
モビットならではの成せる技というところでしょうか。
元々持っている顧客情報と、社会保険証を組み合わせることで、本人確認は容易にできます。
さすがに最終的な融資判断は人間がやるのでしょうが、ここまでインターネットで完結できる点は他にはマネができないでしょう。

[近未来の申し込み]
モビットの例はあくまでも環境に恵まれた結果、不可能と思われるWeb完結を可能とした商品ですが、近い将来、学生ローンでもWeb完結が可能となる日がくるかもしれません。
身分証の確認は既にメール送信などで現実の世界で行われています。
ただ、身分証はいくらでも偽造ができてしまう為、その身分証が本物かどうかという課題が残されます。
この問題解決の方法として、Webカメラやスマートフォンのテレビ電話機能を使えば、身分証の顔写真とモニターに映し出される映像とで照らし合わせる事は可能です。
また、最近流行りの指紋認証機能を活用できないか?
例えば、学生ローンでは店頭申し込みの際、契約書に右手人差し指での押印がなされているが、これがもしかしたら近い将来には、指紋認証機能を利用した本人確認方法が確立されるかもしれない。
こういった技術が進歩すれば、店頭申し込みと同等レベルの本人確認が可能となります。
夢物語みたいな話にも聞こえますが、iphone5以降では指紋認証でロックを解除する技術が既に導入されています。
このようなシステムが確立されれば、北海道から沖縄まで、どこにいても最短30分で借りられる日が来ることでしょう。

[契約書の課題]
現在の学生ローンのシステムでは、契約書(借用証書)が郵送され、記入したら返送しなければなりません。
この方法の問題点は、家族と同居の場合、ローン会社から郵便物が来ることを嫌うユーザーが多いという事です。
この問題の解決策として、申込書をインターネットでダウンロードし、記入後にインターネット経由で返信する方法が考えられます。
ただ、一つクリアしなければいけない問題があります。
書類の送付は、単に送るだけということではなく、その書類が利用者の申告に基づく住所地に間違いなく届いたかどうかという重要な目的も含まれています。
その目的を、どう解決するかが課題となりますが、考えられる方法としてGPS機能の利用が思いつきます。
申し込み者が自宅にいる時、GPS情報を取得し、申告の住所地と一致するかどうかが確認できないか?という発想です。
GPS機能は既に普及している技術であり、子供を持つ親が子供に携帯電話を持たせ、常に居場所を確認するシステムは既に普及している技術です。
こういった最新技術を応用する事により、近い将来、学生ローン業界でも完全Web完結が実現するかもしれません。
それは、そう遠くない未来ではないでしょうか。